■サークル活動



 ■東雄句会

2014東雄句会

12月投句(句会)より

暁闇や漁師等集ふ浜焚火     千舟

カンパスは黒き舗装路散り紅葉    善朗

年の末なにはさておき老い支度    幹生

逆光に葉脈透かす紅葉かな      禮泉

寒禽の声透きとほる山路かな    耿甫

枯れ菊も狭庭に添へるひとついろ   一灯

鉄塔の続く先まで枯芒    菫

日に映えし西の軒端に大根干す    秦山

電飾の欅並木や枯葉散る    三奏

故郷のりんご届くや丸かじり    ざぼん

老犬や乳母車乗り師走入る     陽一

地を這ふて轟きわたる冬の雷    素風

2014も大詰めの大晦日です。
本年も拙い俳句にお付き合いいただき有り難うございました。
荒天に振り回され、自然の力にねじ伏せられ、また生きとし生きるものは必ず死ををむかえる…
いまさらながらですがこの逃れられない真実を突きつけられた感があります。
さて、新年はいかなる心境で迎えるのか…自分を見つめ直す老年時代は未知との遭遇です。

    皆々様佳いお年をお迎えください     heba(#^0^#)/ne

11月吟行句会より

雨止んで一湾白み小春凪    千舟

亡き人を偲ぶ集ひや初時雨    善朗

石蕗咲きて小室神泉静まれり   耿甫

小室山箱根房総冬麗    一灯

小春日や尻押し合ひて昼餉かな   菫霜

霜月や伊豆の島々靄に消え   秦山

石蕗の花歴史を刻む旅の宿   ざぼん

小室山昼餉開ければ寒鴉    陽一

婆に腕組まれ爺行く冬の浜    素風

  欠席投句

茶の花や三花並びて蕊目立つ    禮泉

都会つ子白粉の花知らずして    三奏

毎年恒例の一泊吟行・吟行地は伊東・小室山宿泊は伊東港そばの老舗旅館山喜旅館浜辺に沿う国道135号線の中央分離帯にはアロエの大株がならび、路傍には道祖神などが大切に保存されて、この港町の趣が感じられました。天気予報は雨でしたが好天にめぐまれわが東雄句会のメンバーは晴れジジと晴れババであることがいみじくも証明されたのでした。  素風

10月投句(句会)より

夕谷地田籾山並び煙り上ぐ       千舟

虹生れしと妻の呼ぶ声夕間暮     善朗

半眼の菩薩の笑みや彼岸花      幹生

爽涼や朝一番にメール打つ       禮泉

秋耕や婆腰伸ばし一区切り       耿甫

積ん読を少し減らせし夜長かな    一灯

天高し太鼓の纏め組み体操       菫

紅葉に染まる山肌雲の影        秦山

もぎたての一房食し葡萄狩       三奏

大雨と強風去りて後の月        ざぼん

二人分仏花購ふ秋彼岸         陽一

枝折れむばかりに撓り柿熟るる     素風

添付の写真は作句のためのネタ拾いの折りに遭遇した農家の庭先の、枝にたっぷりの柿です。
ちなみに  正岡 子規は大の柿好きだったそうで、かの有名な

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺      があります。

じつはその時      柿落ちて犬吠ゆる奈良の横丁かな
渋柿やあら壁つづく奈良の町
渋柿や古寺多き奈良の町

なども作句したそうです。
heba(#^0^#)/ne    素風

9月投句(句会)より

植ゑ人の名札立てあり稲実る    千舟

虫の音や雨戸閉める手暫し止め    善朗

子の刻は糸の音落とす風の盆     幹生

採らぬ間に茘枝(れいし)に色の付きにけり   禮泉

花火果て人波を縫ふ家路かな     耿甫

新涼や腕立て伏せと膝屈伸     一灯

ベランダに影の小さき秋の蝶     菫

草払い畝を起して大根蒔く    秦山

刺身良し焼きても美味や新秋刀魚     三奏

一面に頭垂らして豊の秋     朴水

熟れすぎて赤き苦瓜爆発す      ざぼん

重陽やチャペル鐘の音又響く     陽一

もの言わず病む子と眺む秋の空   素風

添付写真は萩です。俳句の世界では星の数ほど登場する季題です。
正岡子規も多数の萩の句を詠んでおりますが
病んで十年
     首あげて折々見るや庭の萩  子規     胸にせまる一句です。

※茘枝(れいし)   ライチと苦瓜二つの語義があり、この句は後者の苦瓜を詠んだものです。

8月投句(句会)より

つるぎ葉のさやぎ青田の干割れかな    千舟

朝餉の箸止めて目の合ふ蟬の声    善朗

ひと夏の日差しに燃えて百日紅     幹生

炎熱や電柱の影伝ひ行く    禮泉

一匙に一息つけりかき氷     耿甫

花つけて画材となりし茗荷の子     一灯

夕空に大虹かけて雨上る    菫

完熟のトマト頬張る甘き味    秦山

路地裏の風船かずら風に揺れ     三奏

涸びていろはにほへと蚯蚓かな     朴水

夕間暮外壁上る守宮かな      ざぼん

一人身の初蜩の夕餉かな     陽一

ひらひらと旗心悲(うらがな)し施餓鬼舟  素風

強烈な夏が憑きものが落ちるように過ぎていきます。
大雨の災害は生活の意欲までそぎ落とします。
気象と生活の関係を広い意味で向き合いなおすことが今まで以上に必要になろうとしているのかも・・・。

7月投句(句会)より

大漁旗はためき穴子舟戾る     千舟

みず叩く幼き日々を想ひつつ     善朗

白牡丹おのが重さに崩れけり     幹生

向日葵や顔に仕立てし花のあり    禮泉

はなあやめ娘船頭の紅襷     耿甫

凌霄花掃きて一日の始まりぬ     一灯

夕立や前山白く土匂ふ     菫

夏霧に見え隠れする尖り屋根    秦山

万華鏡覗くが如し額の花    三奏

蒲の穂や黄から黒々太くなり     朴水

黄菖蒲の木道を行く一人旅    ざぼん

葭切の声を聞きつつ沼抜ける     陽一

煙る雨葉陰に下がる青ぶだう     素風

私の住む船橋市大穴地区は梨園の点在する街で、八月上旬から十月中旬まで、幸水から菊水・豊水・新高・かおりなど間にぶどうや栗もはいり、それは楽しい季節です。
写真のぶどうはバス停近くのよそのお家の垣根に仕立てられたぶどうです。
今夏も天候が荒れ雨の被害が大きく、故里秋田の去年を思うとなんとか無事で過ぎて欲しいと願います。
[さきがけon the Web]の情報ですが竿燈の最終日は中止になったということでした。

6月投句(句会)より

陶窯の蓋の注連換ふ更衣  千舟

送電線遙か植田の彼方まで  善朗

姿見に背筋正して衣替  幹生

どこで鳴く蛙の声や更けし夜  禮泉

振り仰ぐ天に溢れて樟若葉  耿甫

声掛けて仏前に置く初西瓜  一灯

逃水や遠くのバスは定刻に  菫

紫陽花や濡れ葉の雫丸く落つ  秦山

紫陽花や藍鮮やかに雨あがり  三奏

両眼天を睨むや雨蛙  朴水

枕辺のラジオを消しぬほととぎす  陽一

仙人掌や今日九つの花開く  ざぼん

若鮎や口はへの字に焼かれをり  素風

今月の俳句を詠むと、夜更けの蛙の声・夏服を着るとき・
ご仏前に初物を供えるとき・バスを待ちながら・蛙の姿・
寝ながら聞こえた時鳥の声・サボテン(仙人掌)が咲いたよ・
鮎の塩焼きを食べる前に・・・いつでもどこでも5・7・5は作れるのだと
俳句は読むより詠むほうが面白い!と思う6月でした。

写真はどこからかやってきて毎年咲いてくれる珍しい山野草「キンラン」です。

5月投句(句会)より

蛙の子息つぐ泡の光りけり    千舟

チュ リップ撮る人並(な)べてしゃがみをり   善朗

休耕の菜園白し別れ霜     幹生

風光る川辺に舫ふ舟一艘    禮泉

やはらかに耳朶をくすぐる若葉風    耿甫

一輪の瓶に溢るる牡丹かな      一灯

蕗を摘む母の背小さくなりにけり    菫

月の夜や白く浮かびし山桜    秦山

見上ぐればみんな童心鯉のぼり     三奏

雨上がり一輪差しに薔薇の花    朴水

ロ カル線無人駅埋め蕗の薹    陽一

火だすきの備前の鉢に柏餅    ざぼん

この苦き味も好しかな蕗を煮る     素風

芍薬は牡丹より少し遅れて咲き、花は牡丹とよく似ている。
ただし牡丹は木、芍薬は草なのです。風薫る心地好い季節です。
日本には四季があります・・・ありがたいことです。
ふるさと秋田は山菜のシーズン・・・アイコもシドケもなんぼかうめべなぁ~

   
芍薬を画く牡丹に似も似ずも  子規

4月投句(句会)より

純白の苞のかがやき水芭蕉      千舟

辛夷(こぶし)咲く黒き瓦の続く先    善朗

東北へ桜前線希望寄す         幹生

見渡せば壕の内外花の雲        禮泉

水底をさ走る影や柳鮠          耿甫

開門に俄息衝く花筏           一灯

小綬鶏(こじゅけい)や里山明けて雨上る    菫

花筏塊り崩れ流れをり          秦山

祝傘寿乾通りに花吹雪         三奏

一日は麗らか風の棘消えて       朴水

満開の花のトンネル廻り道       ざぼん

入学児また振り返り母子かな       陽一

ゆく春や手書地図持つエトランゼ   素風

4月13日  おーる秋田ふるさと館にて東雄句会の総会・句会を開きました。 
おーる秋田ふるさと館の利用ができることで、会場さがしが不要となり事務局としては、おおいに助かっております。
会の出席者は9名 集合写真を添付致します。

会員は現在13名…入会の窓口はいつでも開いております。  素風


3月投句(句会)より

 余寒なほ水琴窟の音こもる     千舟

 受験子の呉れし朗報宙(そら)の青     善朗

 ふるさとはみちのくなりし雪残る     幹生

 絵馬の山天満宮の梅祭     禮泉

 霏霏(ひひ)と降り日がな一日春の雪    耿甫

 空店に雛菓子並ぶ魚市場    一灯

 二つ三つ野梅の淡き白さかな     菫

 清流に長靴(ちようか)踏み入れ野芹摘み    秦山

 焼き鯖に冬大根の甘さかな     三奏

 着く頃は寒指先に居座りて    朴水

 黄金色透き通るかに福寿草     ざぼん

 まんさくや友安産の御札持ち    陽一

 鼻欠くも胸反らしける古雛(ひいな)    素風

 

俳句では花茎など高く立ったものを茎立(くくたち)等といいます。
特にスギナの薹の立ったものをいいますが、菜の花、ほうれん草小松菜などの薹がたったものにも使うようです。春の季語です。
薹の立った菜の花の株元にはイヌフグリ、オドリコソウ、カラスノエンドウツクシ等春がいっぱいひしめいていました。3月のある日でした。
heba(#^0^#)/ne   素風           

 茎立や命の果てをたくましく     稲畑汀子







2月投句(句会)より

裸木の間(あい)より眺め嶺幾座    千舟

登校の子等声(こわ)高(だか)に雪の朝     善朗

薄氷を踏む子覗く子通学路   幹生

風車廻り廻りて色失せし   禮泉

春立つや頬打つ風はかたきまま   耿甫

欄干に夫婦達磨や春の雪    一灯

ほつほつと色出すつぼみ寒椿    菫

立春や小鳥啄ばむ軒の豆    秦山

寒い朝結露を拭けば青き空     三奏

定年となりて永き日手紙書く    朴水

葉の折れて茎真っ直に野水仙    ざぼん

春立つや検査吉報メール入る     陽一

日暮れにはべそをかきける雪だるま   素風





 立春を過ぎてから降る雪は「春の雪」などと表現します。
椿は春の季語、椿に積る雪はとっても美しい景です。
大雪に大変な重いをさせられましたが、庭の隅のスノードロップ(ユキノハナまたはマツユキソウ)は小さなからだに雪をのせて
じ~っとお日様を待っていました。 heba(#^0^#)/ne    素風

1月投句(句会)より

 心音を聞きつつ傘寿初登山     千舟

 のし袋大小揃へ年用意       善朗

 どやどやと来てがやがやの二日かな    幹生

 健やかを願ひ食せり七日粥     禮泉

 老老の二人暮しも年用意    耿甫

 残り菜を土に返して鍬始     一灯

 梢過ぐ風は変らぬ初御空     菫

 長行列耐へて額ずく初詣    秦山

 穏やかに好天続き松納め     三奏

 へこたれず枯葉背負ふや団子虫    朴水

 冬うらら親子で滑る滑り台     ざぼん

 紅をさし初商の女将かな     陽一

 人の世も斯くのごとあれ初御空    素風

  新年明けましておめでとう御座います
一年を恙なく過ごせるようにと神仏に祈願して始まる1月。
俳句では特別に『新年』という季題の区分があります。

※注連縄・七五三縄 = しめなわ と読みます。
しめ縄を飾ることを注連飾りと言い不浄なものを通さないという意味があるようです。

  さて、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます    heba(#^0^#)/ne

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