■サークル活動



 ■東雄句会

2013東雄句会

12月句会より

藪巻きの松傾ぎ立つ館かな     千舟

大方はとしより冬の診療所     善朗

人の出も手締めも淋し三の酉    幹生

枝ぶりを露にしたり紅葉散る    禮泉

新提灯冬日に映ゆる雷門     耿甫

古暦外すと眩し壁の白    一灯

夕暮れて浮き立つ白さ枯芒    菫

熊手持ち山と積み上げ落葉焚き    秦山

木々飾るイルミネーション冬来たる     三奏

凩や一直線にビルを抜け    朴水

雲流れ冠雪の富士輝けり     ざぼん

蜘蛛の糸冬日に光り飛び去りぬ     陽一

訃に打たれ暮るれば冬の闇深し    素風

2013も暮れようとしています。
我が東雄句会のメンバー達は、「一病息災」を身をもって証明しつつしぶとく新年を迎えようとしております。
仲間達を心の友として、遅々として上達しない俳句を無二の友として、さあ!来年も…へばいぐどぉ~

今年も一年間、東京雄水会のHP関係の役員さん達ありがとうございました。お世話になりました。
そして、時々東雄句会をのぞいてくださった皆様ありがとうございました。

写真は南天の実…季語は冬

 南天の実太し鳥の嘴に   高浜虚子

11月句会より


恒例秋の吟行句会  11月10日~11日 猿橋~河口湖~忍野村

散落葉川のよどみにかたまれり     千舟

語りつつ柿剥く媼手を止めず       善朗

猿橋の木組みの妙や紅葉晴       耿甫

紅葉舞ふ底を透かせて桂川小浜     一灯

猿橋や甲斐の風ぬけ落葉散る      菫

岩肌に貼り付くままに紅葉かな     秦山

蛇行する川の断崖落葉舞ふ      ざぼん

ようこその晩菊の文字甲斐路かな    陽一

石工彫る布袋の腹の散り紅葉     素風 

 欠席投句   千舟選

渓谷に沿ひゆく道や薄紅葉       禮泉

落葉路土の起伏をそのままに      幹生

路地裏に鉢植ゑひとつ実南天       三奏

伸びきって赤く裂けたるゴーヤかな    朴水





 

10月句会(投句)より


みちのくの棚田に稲棒立ち揃ふ    千舟

北欧の虹をよぎりて航空機     善朗

くすぐつてくすぐりあつて猫じやらし    幹生

星屑を散らし香り来金木犀     禮泉

皓皓とただ皓皓と今日の月    耿甫

眉太き日蓮像や秋高し      一灯
(千葉鴨川の清澄寺にて)

道祖神見下ろす畑や芋の露    菫

赤松の枯れし大木夏残滓     秦山

スコアよりきのこ気になるゴルフかな     三奏

虫の音に毛布一枚重ねたり    朴水

色付きて枝先撓ふ実紫     ざぼん

父臥せて拾ふものなく栗落つる    陽一

浜小屋に人影絶えて実?瑰(はまなす)    素風

進藤校長先生の訃報に接し、まだこれからもご活躍を期待したい先生を失ったことに人の世の無情をおもわずにおれません。
心からお悔やみ申し上げます。    素風

9月句会(投句)より

沼風に色づく稲穂揺れ合へり      千舟

フィヨルドに注ぎ滝又滝真白       善朗

子ら帰り手花火のくず残りけり     幹生

新涼の山分け登山電車行く      耿甫

揺れにゆれ黄花コスモス揺れ止まず     禮泉

畝作り指で蒔き穴大根蒔く     一灯

烏瓜花連なりて仄明かり       菫

青空に地から湧き立つ雲の峰     秦山

閉店のお知らせ届き秋の風       三奏

無花果の甘露煮未だ母越えず      朴水

故郷の景色に似たり稲の波       ざぼん

虫の音に気付く一人の今宵かな      陽一

こほろぎのソロで始まる初ライブ     素風

男鹿から十和田湖へ・鷹ノ巣から内陸鉄道で角館へ一足早い秋の旅でした。
十和田はすでに紅葉が始まっていました。
内陸線は稲刈り真っ盛り。
大雨にたたられた今年の秋田でしたが、渓流はどこも澄んだ流れでこの水が米も酒も美人もつくるのだ!と納得でした。

添付の写真は高13期石田健悦氏の作品「万媚」です。
初秋の銀座に幽玄の世界を垣間見、美しい作品「万媚」に感銘いたしました。

8月句会(投句)より

 灯台の崖に祠や浜(はま)払子(ぼつす)     千舟

 冷酒酌む切り子ガラスの盃真青    善朗

 夏衣包む我が身の細りかな     幹生

 ひまわりの畠の向かう電車ゆく    禮泉

 日盛りや影無き道の白く伸ぶ     耿甫

 夏帽子放って総身に利根の風     一灯

 初摘みの梨の箱詰め出荷待つ     菫

 原生林エゾ蟬の音に耳澄ます    秦山

 枝豆や思わず手にす秋田産      三奏

 点と線並び天突く初穂かな       朴水

 蜥蜴の尾青く光るや石の陰      ざぼん

 山頂の涼風抜ける駅降りぬ      陽一

 油照り二列に舫ふ舟軋む      素風

夏の過ごし方も色々ありましょうが、私はただひたすらシンプルに!を心がけ、 献立も日常の雑事も省エネで・・・一年の内訳で7・8・9月は死んだふりです。

今夏秋田の大雨による大きな被害には心が痛みます。
なんとか早い復旧をお祈り致します。        heba(#^0^#)/ne      素風

7月投句(句会)より

 漁火のまたたく沖や明易し          千舟

 震災の街に健在海鞘(ほや)の味      善朗

 屈む背を老いの所為にし衣替        幹生

 色付きて滴留めし七変化           禮泉

 雲白く湧きて夏山屹立す          耿甫

 薬包に日付を入れて茗荷の子      一灯

 落て船の腰まで隠す花菖蒲         菫

 小雨降り日光黄菅野に満てり       秦山

 手をかざしミストシャワーにはしゃぐ子等  三奏

 鳥群れて山桜桃の実に散り集ひ      朴水

 豊後梅まん丸粒の揃ひけり        ざぼん

 大声を上げて出発子の神輿         陽一

 夕日あび燃ゆる色増す凌霄花(のうぜんか)   素風

  今夏は母校の後輩達の活躍に、若さを謳歌した在学中の活気ある八橋校舎を思い出しました。   フレーフレー秋商!!! 

                         heba(#^0^#)/ne    へばってる   素風

6月投句より

 葉畳のうすみどり抜け?菜(あさざ)かな 千舟

 舗道まで枝被(かぶさ)り来枇杷熟るる 善朗

 陽を恋ひて花の開きしオキザリス 幹生

 茂み抜け茂みに入る東御苑 禮泉

 箱根路や樹間抜け行く若葉風 耿甫

 多聞とは長屋と知れり額紫陽花 一灯

 夏の牧馬の背光り草千里 菫

 河骨の花の合間に錦鯉 秦山

 天突くや泰山木の花香る 三奏

 定年の近し目高のちひささよ 朴水

 一株の白き十薬八重の咲く ざぼん

 旱梅雨皇居に響く剣の声 陽一

 とんぼ生(あ)る小流れ抱く東福寺 素風

5月中旬 京都へ行ってきました・・・今日では修学旅行は真冬以外は時を選ばずですが、さすが5月は学生達であふれていました。
グループごとにタクシーを利用し、お寺ではガイドさんをつけて後日提出するレポートのために資料をあつめ、効率よく移動するのが今風の修学旅行事情のようです。
亡くなった敬愛する同期生が、当時、修学旅行があることを親に言えず、パスしたことを思わずにいられません。

heba(#^0^#)/ne        素風

5月投句より

 純白のうはみず桜崩れなし 千舟

 葉に埋もれひそと咲きをり郁子(むべ)の花 善朗

 満つる湯に菖蒲うかべて至福かな 幹生

 群生の稚児百合の花伏して撮る 禮泉

 かをり満ち棚溢れ落つ藤花かな 耿甫

 傘付けて牡丹一片乱れなし 一灯

 川筋を宙返りして燕飛ぶ 秦山

 うら富士の甲斐路芽吹きて茶屋開き 菫

 鯉のぼり絡まりて解けまた泳ぐ 三奏

 顧みる人生ありて風薫る 朴水

 母の日にひらがなのみの便り来し ざぼん

 お義父さん呼ばれ嬉しや昭和の日 陽一

 彼方より澄む一声や不如帰 素風

風薫る5月とは日本だからこその表現…と思います。
ところが今年も、地球規模で天候の異常が続いています。
大竜巻(アメリカ)・大洪水(ドイツ)と災害の大きさが不気味に感じられます。
どうか今年の夏は例年通りのフツーの夏であってほしいところです。

                              heba(#^0^#)/ne   素風

4月投句より

 春の灯や入り江に舫ふ屋形船   千舟

 春ともし独り酌みをり妻の留守    善朗

 友誘ふ文を認む春灯下   幹生

 子が潰し母膨らます紙風船    禮泉

 ひっそりと春の灯ともし宵の宮   耿甫

 春灯し礼の白鳳佇まひ     一灯

 春の灯や遅々と船曳く隅田川   菫

 紙風船息吹き入れて天に打つ     秦山

 春灯や川面に揺れて屋形船     三奏

 薬箱母残したる紙風船   朴水

 紙風船畳んで仕舞ふ宝箱   ざぼん

 耳のある風船持つ子背で眠り     陽一

 丸薬の匂ひしみてゐ紙風船    素風

 おーる秋田ふるさと館を使わせていただきました。
 3月31日 東雄句会では11名(欠席投句2名)の出席をもって、総会・集合句会をおーる秋田ふるさと館を利用して開催致しました。

 

兼題   春燈…春灯し 春の灯など
      風船…紙風船 ゴム風船など

天候不順の折この度は吟行をせずに予め共通の季題をお知らせして句会に持ち寄りました。     

平成24年度
東雄句会・五句抄

東雄句会選者
 橋本 千舟(高4)

 奥宮の崖に幣立ちお正月
 春一番沼波尖り尖り寄す
 激つ瀬の岩陰よどみ川とんぼ
 海蝕の崖磯菊の盛りかな
 神杉の太根ささくれ寒に入る
佐々木 秦山(高16)

 冬枯れや裏の貸家に誰ぞ棲む
 庭先の枝に目白来日向ぼこ
 大寒や自家の沢庵配りゆく
 蒼穹に梯子を反らし出初式
 軒下に薪高く積み冬支度
大川 善朗(高3)

 雨止めば殊に色濃き鉄線花
 イグアスの瀑布を望み傘寿かな
 朝刊紙両手に拡げ蟬の声
 すれ違ふ日傘の内を覗くかに
 旅の終り麦稈帽を棄てにけり
松岡 素風(高17)

 春浅し躰にしむるミルクティー
 花吹雪リヴァーサイドのカフェテラス
 奥院は葉擦れの音と蟬時雨
 空蟬やそこに命の確ありし
 荒崎の磯路山路に石蕗咲けり
大川 幹生(高5)

 今年米お国訛りの送り文
 父の言今ならわかる彼岸花
 寒夕焼け宵の明星輝けり
 縫いかけの絣を置いて針供養
 寒暖に戸惑ふ日々や春隣
湊 三奏( 高18)

 空き瓶に一輪生けて寒椿
 廃校や子等の声なく桜咲く
 紫陽花やひと雨去りて藍深し
 紫陽花や重なり合ひて毬揺れる
 水底に影を落として水馬
北島 禮泉( 高6)

 木木の下群れ咲き揃ふ著莪の花
 ネモフィラの丘で見下ろす鯉幟
 一山をキャンバスとなす芝桜
 スカイツリー藤咲く棚の上に立つ
 木木の間に色取り取りのチューリップ
渡辺 朴水( 高18)

 板塀に沿ひ綻ぶや蕗の薹
 散りて知る三日天下や白木蓮
 薬箱母残したる紙風船
 素顔みせ薄着の案山子納屋に入る
 冬草に終の棲家を囲まれん
浅間 耿甫( 高6)

 咲き満ちて墨堤傾るさくらかな
 雨上り仄かに匂ふ若葉風
 空に日の白く煌めき梅雨明くる
 塩振らる茹で枝豆の青さかな
 新涼や子等は真白き体操着
柏谷 ざぼん(高19)

 花を閉ぢひと日の終り福寿草
 庭に咲く大山蓮華母のやう
 夏野菜スープカレーや北の旅
 海蝕の断崖にあり石蕗の花
 幼子の揃ひの毛糸帽子編む
小浜 一灯( 高11)

 母の日や妊婦に譲るシルバー席
 車屋の背を打つ北京の夕立かな
 献杯の最中驟雨来仲麻呂碑(西安にて)
 かなかなの鳴いて急かれる畑仕事
 真青なる三月の空土起こす
夏井 陽一( 高21)

 初めての法被鉢巻子の神輿
 新藁を一束落し農車行く
 部屋抜ける風に揺れをり活け薄
 溶接の火花の落つる寒暮かな
 球場の人工芝や初蝶来
道庭 菫( 高11)

 街の灯の揺るる川面や春の鴨
 冴返る電車込み合ひ窓白し
 春の灯や遅々と船曳く隅田川
 雨上り白さ際立つ夕桜
 投げ入れの万両ふくらみ壺坐る
 

 東雄句会は発足から25年が経とうとしております。事務局を預かっておりますと、会員がそれぞれにこの句会を大切に繋いでいこうとする暗黙の了解があればこそ…と感じます。入会は時を選ばずいつからでも下記まで声をかけて下さい。

事務局・松岡悦子(高17期俳号 素風)
047-457-0109
東雄句会・会長
大川与四郎(高3期俳号 善朗)
047-483-2905

俳句と私   

高11期 小浜 一灯

 炎帝や龍の雲湧くゴビ砂漠

  この句は去年の夏「中国シルクロードの旅」で敦煌よりバスで移動中ゴビ砂漠の大空に浮かんだ雲を見て作句しました。
私はここ数年旅行時には日記をつけ、更に俳句を作ることを心がけています。そして旅行ごとのアルバムの最終頁は俳句や、俳句にまとめたいメモ等がならんでいます。
 私と俳句の付合いは十五年程前現東雄句会の大川善朗会長にゴルフ場で誘われたことがきっかけでした。今ゴルフは止めましたが俳句は仲間の皆さんと春秋二回の顔合わせや、毎月の句会(通信)をとおして楽しく続けています。その機縁に感謝しております。
 私の旅行句の中で印象の強い句ですが、西(せい)安(あん)・阿倍仲麻呂碑に詣でたとき

  献杯の最中驟(しゆう)雨(う)来仲麻呂碑

旅行仲間たちと、「仲麻呂の嬉し涙かな」等と言い合いました。
 さて近頃私は地元のカルチャー教室で水墨画を習い始めました。俳画を描いてみたいと思っています。
 最後になりましたが虚子曰く「俳句は極楽の文学」とか・・・
自分史として俳句を残しませんか?東雄句会に参加して一緒に俳句を作りましょう。

3月投句より

 春一番沼波尖り尖り寄す 千舟
 
 陽光を浴び白梅の真っ盛り 善朗
 
 北窓を開けて筑波嶺望みけり 幹生

 白梅にほんのり紅の混じりをり 禮泉

 提灯揃ふ江戸の古町や月朧 一灯

 春霞土手を少女駆け抜けり 菫

 山見れば火事かと紛う杉花粉 秦山

 酔ひどれて帰る夜道に沈丁花 三奏

 板塀に沿ひ綻ぶや蕗の薹 朴水

 蕗の薹一つ見つけて三つ四つ ざぼん

 離島旅建国の日や旗靡く 陽一

 眼裏(まなうら)に初蝶の黄の残りをり 素風

 冷たい冬がようやく終了!今年の春は気温が一気に上昇したせいもあってまさに、百花繚乱の花事情…梅から桜まで順番が入り乱れて早かったり、遅かったり故郷秋田 のお花見の頃のようです。
  明徳小学校時代、堀端にたくさんの出店がならび、千秋公園の下の薄暗い堀のそばには怪しげな見世物小屋のテントが張られて・・・楽しいような哀しいような。

heba(#^0^#)/ne    素風

2月投句より

神杉の太根ささくれ寒に入る 千舟

霏霏(ひひ)と降る晴の成人式の日に 善朗

節分会上下左右に人揺れり 幹生

風光る磯辺の石に藻のつきし 禮泉

春立つ日皮からつくる餃子かな 一灯

ふつくらと遅れて色だす藪椿 菫

大寒や自家の沢庵配りゆく 秦山

見栄張りて小雪の重し薄着かな 朴水

うつすらと蕾色づき春の雪 三奏

贈られる十年物の初日記 ざぼん

寒行や一団誦経揃ひ行く 陽一

ここからは田の道となる犬ふぐり 素風

土崎から寺内経由のバスを面影橋で下車…吹雪の中を学校まで
頬を紅くして歩いた一本道…物思う京都哲学の道のようであったかも?
今年の冬、故郷秋田は荒天の日が多くて難儀なことでした。

      heba(#^0^#)/ne       素風

1月投句より

奥宮の崖に幣立ちお正月    千舟

天辺まで薦巻き蘇鉄年の暮     善朗

一坪を千両万両赤くして   幹生

お待たせの年酒に酔ひの回りけり    禮泉

瑞雲を茜に染めて初日出づ    耿甫

真青なる三日の空や土起こす     一灯

初雀映す影より飛び立てり   菫

華やかな歌合戦観つ歳を越す  秦山

お雑煮や具もさまざまに地方色    三奏

人混みに紛れ安堵す師走かな   朴水

とんがりの僅に芽の出福寿草   ざぼん

境内に旧札溜まり松の内    陽一

早暁の月に七種粥すする    素風

 高齢者の多い我が東雄句会ですが、まずはめでたく年を越しました。
新年から年の暮まで季語を追いかけて作句をし、あっという間に一年が・・・(*^_^*)
句作りは上達できているものやら?の世界です。
この冬は関東も気温の低い冬ですが秋田の皆様の雪下ろしを思えば何のこれしき! 素風

   heba(#^0^#)/ne

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