2012東雄句会
12月投句より
ゴム手袋干し藍工房小春 千舟
縁側に爪切りをれば冬の蜂 善朗
尻上がり小さき闘志に暮れ早し 幹生
しぶき浴び天竜下り炬燵舟 禮泉
暮早し将に佳境の本閉ぢぬ 耿甫
宙に舞ふライスシャワーや雪片片 一灯
遠富士を冬の夕焼つつみ落つ 菫
冬枯れや裏の貸家に誰ぞ棲む 秦山
木漏れ日や障子に落す影薄し 三奏
公園の隅をうめたるかじけ猫 朴水
三崎港に船川丸や冬うらら ざぼん
図らずも船川水産高校の練習船「船川丸」が寄港していたのに遭遇したそうです。
軋む籠背負ふ媼の息白し 陽一
黄金の色尽くしきる大銀杏 素風
4月向島百花園での総会・句会。 11月の三浦半島吟行句会
秋田魁新報・俳句欄投稿(3月、8月)など、本年もなんとか無事に1年が暮れようとしています。
そこそこ元気なだけが取り得の相変らずの事務局ではありましたがつたない編集にお付き合いくださいましたこと御礼申し上げます。
また来年もご高覧いただけますようよろしくお願い申し上げます。
heba(#^0^#)/ne 素風
11月吟行句会
恒例の吟行旅行に行きました。
吟行地 三浦半島 荒崎~油壺
雨の心配をしながらの吟行でした。

海蝕の崖磯菊の盛りかな 千舟
冬凪や松ヶ枝越しのヨット群(ぐん) 善朗
雲あつし相模の海も冬めきぬ 禮泉
冬漁港祀る龍神朱の鳥居 耿甫
冬ざれや木々の垂れ込む油壺 一灯
坂の上窓隠すかに蔦もみじ 菫
その昔一族滅び石蕗の花 ざぼん
岬口ブロッコリー売る媼かな 陽一
冬和ぎて藻屑揺らめく荒磯かな 素風
冬の海ですが沖には大小の釣り舟や白い帆をはるヨットが散らばって湘南の海らしい景でした。
欠席 投句 より
吟行に参加出来ないものは毎月と同様に投句をいたします。
とんぶりにふるさと想ふ朝餉かな 幹生
野を黄に染めて蔓延る泡立草 秦山
沼澱み枯蓮の影落したる 三奏
夕暮れて鳥みな黒き神無月 朴水
10月投句より
対岸の縁(ふち)まで盛ん曼珠沙華 千舟
湖畔巡り左黄葉右紅葉 善朗
目をふさぐ籠目の子の背鬼蜻蛉 幹生
初尾花海の彼方に富士望む 禮泉
嵐行きただ待ち出づるけふの月 耿甫
親水道我が水先に秋の蝶 一灯
里の端(は)の煙なびくや夕の秋 菫
大根畑間引く手先の黒さかな 秦山
路地裏や木槿凋みて夕暮れる 三奏
秋分や雨を背負ひて軒光る 朴水
里山の荒れたる畑に蕎麦の花 ざぼん
妻の買ふ仏花重なり秋彼岸 陽一
語り部の静かなる技秋日和 素風
この『10月投句より』を送信し忘れておりました・・・(’~’)
タイムリーではありませんが、どうぞご鑑賞ください。
heba(#^0^#)/ne
9月投句より
石焦げて煮炊きのあとらし夏河原 千舟
旅の終り麦稈帽を棄てにけり 善朗
幼子は手まね足まね踊りの輪 幹生
丸窓を開け放ちたり酔芙蓉 禮泉
新涼や子等は真白き体操着 耿甫
源氏学ぶ手許眼鏡と秋扇 一灯
夕暮れて色濃く花の烏瓜 菫
飛退いて山道を這う山かがし 秦山
青空やにはか暗雲大夕立 三奏
押し出され慌てたるよな心太 朴水
北の旅スープカレーの夏野菜 ざぼん
新藁を一束落とし農車行く 陽一
空蟬やそこに命の確ありし 素風
暑さ寒さも彼岸まで 昔の諺が通用しなくなった地球規模の異常気象・・・俳句の季語もジワジワと月をまたいで移動していく感ありです。
残暑の程度をこえた気温の高さに辟易しながら、秋を探し季節の先取りをしての作句です。
heba(#^0^#)/ne
8月投句より
湧水の石に翅閉ぢ川蜻蛉 千舟
くにの酒枝豆添へて届きけり 善朗
夏草やほったらかしの庭に見し 幹生
飛石に鎮座の蝦蟇や庭の主 禮泉
オリンピック寝不足ためて秋に入る 耿甫
ウイグルの財布代わりの夏帽子 一灯
(維吾爾)
夕立や土の匂ひを運び来る 菫
眠れぬ夜暑さを忘れ五輪観る 秦山
炎天下校歌流るる夢をみる 三奏
蝉飛ぶや網避け雨避け糸避けて 朴水
仙人掌の初めて開く一花かな ざぼん
早朝に媼鼻歌草むしり 陽一
粒ごとに熟るる色あり山葡萄 素風
挿入の写真は窓辺に植えた日除け代わりの山葡萄です。
高齢者ばかりの我が東雄句会ですが、会員各位は酷暑猛暑と残暑の厳しいこの季節をどうやら名句?を作りながら、無事しのぎきった様子・・・まづは祝着至極。
heba(#^0^#)/ne 素風
7月投句より
梅雨寒や歯に喰ひ当つる汁の砂 千舟
朝顔や園児等蹲み水を遣り 善朗
それぞれが想ひの方へひねりばな 幹生
湯上がりは糊のききたる藍浴衣 禮泉
郭公の声に目覚むる山の宿 耿甫
車夫の背にはぜて北京の夕立かな 一灯
吊橋の間々より白く山法師 菫
梅雨晴れや樹間を亘る風青し 秦山
雑草に負けじと咲きし夏薊 三奏
浮く魚や沈むあめんぼ澱み水 朴水
庭に咲く大山蓮華母のやう ざぼん
初めての法被鉢巻子の神輿 陽一
蛍こい期間限定宿の庭 素風
暑中お見舞い申し上げます
今夏はオリンピックがあり甲子園がありです・・・
せめて、最高気温32~3度程度なら夏もよいかと思うのですが。
皆々様 今年も猛暑をなんとか無事に凌いでください。
heba(#^0^#)/ne 素風
6月投句より
角をもて虚空をさぐる蝸牛 千舟
雨止めば殊に色濃し鉄線花 善朗
秋田蕗刈り取る人を越えてをり 幹生
満目の青田見下ろす城址かな 禮泉
みどり樹に絡み山藤乱れ咲く 耿甫
麦稈帽園児揃ひのバスの席 一灯
手を握り背の子と語る夏日傘 菫
波静か南三陸若布棚 秦山
紫陽花やひと雨去りて藍深し 三奏
雨止めば庭を切り裂く蜥蜴かな 朴水
墓石に張り付きて居る青蛙 ざぼん
フエンス越えサッカーボール植田入る 陽一
睡蓮の一花加はる狭庭かな 素風
5月投句より
せせらぎに白帆の揃ひ水芭蕉 千舟
穀雨かな傘寿言祝ぐ晩餐会 善朗
北帰る友は二度目の花見かな 幹生
ネモフイラの丘の向かうに鯉のぼり 禮泉
たんぽぽの綿毛飛ぶ飛ぶ青空に 耿甫
母の日や妊婦に譲るシルバー席 一灯
垣根越えたわむおもさのおおでまり 菫
鶴生田川川面に浮かぶ鯉数千 秦山
水底に影を落として水馬 三奏
蝸牛宇宙を殻に刻みけり 朴水
新聞紙の兜を作り端午かな ざぼん
薔薇の道媼引き寄せ嗅ぎ歩く 陽一
花匂ふスーパームーンの一夜なり 素風
蝸牛=かたつむり 薔薇=バラ
季節に敏感になり・季節を先取りして俳句を作っていますと一年があれよあれよの間に過ぎるようです。
へば(*^_^*)/~また 素風
4月集合句会・出句より
さて、不安定な春のお天気ながら、桜満開の日
4月7日 向島百花園・お成りの間において総会と句会を開催致しました。
会場であるお成りの間は都の施設・向島百花園(墨田区)の中にあります。
当日百花園を散策しながら作句、推敲の時間もままならないうちに句会に突入、四苦八苦ならぬ5句をなんとかまとめて出句。
以下は各人1句を掲載致します。
竹筒に路地琴を聞き春惜しむ 千舟
花盛り図鑑片手に巡る園 善朗
そっと咲く百花のなかの菫かな 幹生
春風に垂るる木五倍子の花穂揺る 耿甫
花飽きし人の集ひて百花園 一灯
甘酒の茶屋のくらきに昼灯り 菫
三椏の黄花の色香鮮やかに 秦山
句碑に添ひ可憐に咲きしゆすら梅 三奏
三椏の花の塊弾むかに ざぼん
竹矢来潜るトンネル春の苑 陽一
虎杖の今伸びさかる太き茎 素風
欠席投句
日が差せば木々の若芽の煌めけり 禮泉
川揺らぎ色破れたる竹の春 朴水
俳句は読みてによって時には一人歩きするもののようです。
どうぞ想像力をふくらませ一句を読んでみてください。
木五倍子=キブシ 三椏=ミツマタ 虎杖=イタドリ(スカンポ)
向島百花園は園内からスカイツリーがニョッキリと聳え立つのが見える風景となり
江戸時代からの名残の庭もおおいに様変わり致したことでした。
本年も無事に楽しく総会・集合句会を終えることができました。 以上
へばまた(*^-^*)/~
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俳句人生はじめました
高16期 佐々木秦山
去る4月7日(土)、【東雄句会】の総会を兼ねた集合句会が、晴天の下、向島百花園の『お成りの間』で開催された。参加者は11名だった。 そもそも、私が俳句を始める破目に陥ったのは、昨年6月の雄水会総会で、妙齢な女性に声をかけられたのがはじめである。それまで、自慢じゃないが俳句とは無縁の人生を送っていた。同期の六ちゃんに「ちょっと紹介したい女性がいる」と紹介されたのが、【東雄句会】事務局長の素風さんだ。
彼女から【東雄句会】入会を熱心に勧められたが、そもそも俳句など作ったこともない。それでもあまりにも熱心に勧められたので、「それじゃ、六ちゃんも入ることを条件に」と受諾したはずが、六ちゃんの顔は見たこともない。
入会したからには、毎月10日迄に5句を提出するように課題を与えられている。とはいっても、俳句など作ったことがない身にとっては、とても辛いものがあった。それでも何とかかとか、期限ぎりぎりに提出している。それから、毎月10日は、私にとっては借金取りに追われるような、とても辛い日になった。今まで、自慢じゃないが借金取りとは無縁な人生を送っていたのに…。
せっかく俳句人生を送るようになったのだからと、ある俳句講座にも入会し、勉強を始めた。人生とは異なもので、その講座の撰者の一人に【東雄句会】の撰者でもある千舟さんがいた。高校の大先輩だと知ったのは、講座の3~4回目の時である。
さて、総会を兼ねた句会が行われた向島百花園は、初めて訪れた庭園だ。その日の課題は、『向島百花園に入場し、その場で5句を作って提出するように』というものだった。即興句など作ったことがない私には、また難題が降りかかった。それでも会の始る2時間ほど前に入園し、どうにかこうにか14句ほど作ってみた。ただ、どれもこれも詰まらない月並みな句だった。その中で5句を選んで、会に提出した。
集合時間の午後1時、『お成りの間』に当日予定の会員が集まった。テーブルにはお弁当が用意されていた。真ん中に座った大川先輩は、【雄球会】ゴルフコンペでもすでにおなじみだ。さらに千舟さんを含め、知った顔も何人かいたが、大半の方は初対面だ。弁当を食べ、ビールを飲み終え、真剣な句会が始まった。
皆さんが作句したものを短冊にして選句作業が始まった。私にとっては初めての句会だったが、なかなか熱心なものだ。それぞれの人が選句した俳句が紹介されたが、当然のごとく、初心者の私の句を選んでくれた方は少なかった。それでも、楽しく一日を過ごせたのが望外の喜びだった。(文:秦山) |
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3月投句より
料峭やトタン屋根打つ雨の音 千舟
啓蟄を過ぎて俄や普請の音 善朗
別れの日笑みと涙の卒業子 幹生
夜も更けて恋猫の声けたたまし 禮泉
見渡せるものみな包み春の雨 耿甫
二夏二冬眠る味噌蔵春の月 一灯
峡の里日差しとどかぬいぬふぐり 菫
打つ鍬の刃をはね返し霜柱 秦山
かじかむ手息を吹きかけ天仰ぐ 三奏
虎杖の新芽ことこと母の音 朴水
花を閉ぢ一日の終り福寿草 ざぼん
春遅々と老犬老爺畦を行き 陽一
豆雛の点とおきたる口の紅 素風
料峭(リョウショウ)=春の風のはだ寒い形容
虎杖(イタドリ)=若芽は食用される。スカンポ。
いつまでもいつまでも寒い寒いと首をすくめておりましたら、桜の開花宣言など聞く時節でありました。
昨日は春2度目の大嵐・・・異常気象に東北を思いやらずにおれません。
4月7日は向島百花園内において東雄句会の総会・句会を開催する予定です。
どうやら、桜が満開の中の総会・句会となりそうです。
2月投句より
教会のクルスのかなた寒北斗 千舟
小豆粒ほどの蕾や梅ふふむ 善朗
千本の鳥居朱の坂午参り 幹生
仰ぎみる崖一面に大氷柱 禮泉
宵空に研ぐる利鎌の月冴ゆる 耿甫
春暁の雲の綻び知らせけり 一灯
合図して手より離るる天の凧 菫
大寒や夕陽に浮かぶ不二の山 秦山
雪の道轍伝ひに家路かな 三奏
天指すや土きりきりと霜柱 朴水
とんがりの菰を冠りて寒牡丹 ざぼん
湯湯婆の温もり残る朝寝かな 陽一
昨日とはちがふ風あり春隣 素風
春は名のみの風の寒さよ~♪ と先人はみごとに早春の気配を詠っています。
いつまでも寒い寒いと思っていると、春の草花の芽はちゃくちゃくと大きくなっているようです。
来月の句会には一気に春まっさかりの句が投句されることでしょう。
へばまた(*^-^*)/~
賀春 本年もよろしくお願い申し上げます
1月投句より
鬨の声上げて消防出初かな 千舟
案じをり賀状届かぬ朋のこと 善朗
冬夕焼海の彼方に富士の陰 禮泉
雲切れて元朝の日の射し出づる 耿甫
かまくらにあがってたんせ子が主 幹生
霜溶けて畑の残り菜立ち上がる 一灯
雪雲に夕日割り込み空動く 菫
冨久福銭押し戴きて初詣 秦山
空き瓶に一輪生けて寒椿 三奏
白黒のコピーの清し初仕事 朴水
幼子の揃ひの帽子毛糸編む ざぼん
初泣か響く境内獅子頭 陽一
傍らに猫と歳時記春を待つ 素風
新しい年が始まりました・・・希望や願いまたは祈りを胸に新年を迎えるのでしょうが、私ごとですが、還暦を数年過ぎて思うことは
ここまでの人生あっという間!とすれば残りの時間はさらに短く大いなる覚悟をもって日々を過ごさねば!これが年頭所感となりました。
本年も何卒よろしくお付き合いの程お願い申し上げます。
へばまた(*^-^*)/~ 素風
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