■サークル活動



 ■東雄句会

2011東雄句会

12月投句より

総枯れのはちす茎折れささり立つ    千舟

暮れ初めてなほ侘助のほの白く   善朗

紅葉狩犬が首出す乳母車   禮泉 

睨み合ふ野良猫二匹冬川原   耿甫

白障子師が弾く三味のおばこ節    幹生

髭そりて新たな一日実千両   一灯

晩秋や樹間の灯り隣村   菫

干大根軒端に並び白さ映ゆ   秦山

竹箒掃けど掃けども落葉降る    三奏

曇天や鴉ばかりの冬木立   朴水

朽ちかけの源泉井戸や草紅葉   ざぼん
  
卒寿なる父や今年も雪囲ひ   陽一
     
北鳴るや昼の半月白く浮く     素風

 2011は決して忘れられない年となりました。
命のはかなさを大自然のなせる脅威のなかに思い知らされ人ごとではない喪失感に生きることのむなしさをたたきつけられました。
しかしながら、そこから立ち上がる人間の力強さや知恵も教えられました。
私は、今あるものに感謝をしたいとしみじみ感じています。
せめて、被災地の冬が穏やかであることを願わずにおられません。
今年も一年このページにお付き合い下さった皆様ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。    素風

         へばまた(*^-^*)/~  

11月句会

    11月は恒例となっています一泊吟行旅行です。
   今年も好天に恵まれ湯河原・大磯を歩いてきました。

  橋桁に貼りつき映ゆる蔦紅葉    千舟

  草紅葉覆ふ石垣坂の街    善朗

  ザボン手に拾ひしという美女1人   禮泉

  秋の水幾段落す千歳川    耿甫

  昭和史の重き一幕冬薔薇    一灯

  首大仏慈悲のまなざし実南天   ざぼん

  万葉の苔むす道や冬日影   陽一

  木の実降る茶屋の床几の赤座布団    素風

   以上が吟行句会より選出致しました佳句です。

  今年の吟行に欠席された方々の欠席投句より

   近況を添へて届くや今年米    幹生

   動くたび母の指よりゆず香る    菫

   秋の陽を柔らかに浴び畑仕事    秦山

   青合羽纏ふ目鼻のなき案山子    朴水

   曼珠沙華群れから離れ一花咲く     三奏 

  11月13日~14日の、 湯河原吟行旅行も無事終了。
   気持ちが急いてばかりで、あれよあれよという間に大晦日、それが私の十二月です。
   へばまた(*^-^*)/~

秋田県高校文芸コンクールで母校生徒が入選

県高校文芸コンクールの表彰式が1日に開かれ、入賞した個人と団体に賞状が手渡された
詩、短歌、俳句、小説、随筆、文芸部誌の6部門の27校 221点から入選33点、佳作39点が選ばれた
秋商の受賞者は、俳句の第二席に3年の新山萌、第三席に3年の佐藤楓と同じ3年の菊地優花里の3人で、全国コンクールに作品が出品されます

二席の新山萌  
夏景色        ① 子供らに負けじと叫ぶアブラゼミ
             ② 夏の朝ラジオ体操のびのびと
             ③ 水筒のはじける音色夏の山
             ④ 窓際に網戸代わりのくもの糸
             ⑤ かたつむり堂々と這うアスファルト

三席の菊地優花里
恋する夏休み    ① 照れてるの?線香花火もどかしい
             ② 好き嫌い想い揺れたるハンモック
             ③ 会えなくてサイダー染みる傷心に
             ④ 夏祭り太鼓の響き胸の鼓動
             ⑤ ラブレター渡せず叫ぶ夏の海

三席の佐藤楓
夏景色        ① 千梅のほのかな香り母の背に
             ② ガラス缶写る自慢の夏帽子
             ③ 足元の引かれる砂よ夏の海
             ④ 打ち水や息吹き返すアスファルト
             ⑤ スイカ売りばてるなばてるな一つくれ

投稿 秋田市在住 進藤紀彦 

 10月投句より 

 瀬を歩む背高鷸の脛光る    千舟

 テープもて囲み一画曼珠沙華    善朗

 金と銀木犀揃ひ香りけり     幹生

 風の止む一瞬に撮る秋桜    禮泉

 静けさの釧路湿原空高し   耿甫

 破蓮や不忍池の骨董市   一灯

 ベランダの語らひもるる月明かり   菫

 Let it be 夜空にこだま十三夜   秦山

 ジヤズ流る秋のひと時カフエテラス    三奏

 草伏して北向く台風一過かな   朴水

 橋の下水面に月の影揺らぐ   淳子

 ロープウエイ二人占めして紅葉狩   陽一

 米櫃を干して清めて今年米    素風

 破蓮→ヤレハスと読みます。
  俳句の世界では、月に関する名詞はすべて 秋の季語 となります。
  今年も、はや肌寒さを感ずる季節となりました。冬の寒さを身にしみて覚えている
  私たちは、被災された方々の冬を思いやらずにおられません。祈るばかりのもどかしさに心が重くなます。

9月投句より

玫瑰や沖に白帆のちらばれり   千舟

秋桜石垣のみの遺跡かな  善朗

堂塔をおほふ一山蝉時雨   耿甫

土手に座す風爽やかに雲流る  禮泉

逢ふ度に子の背高きや夏休み  幹生

纜(ともづな)の皆張り詰めて台風来  一灯

葛の蔓力漲り道を這ふ   菫

茶臼岳登り疲れて手打ち蕎麦  秦山

夏の夕入浴剤の香漂ふ   三奏

先の無き先を急ぎて蚯蚓鳴く   朴水

幼子の両手滴る桃の汁   淳子

里山の墓所の法話や蝉時雨   陽一

ぶんぶんに額打たれてよるの庭    素風

9月下旬秋風に誘われて、 高13期の石田健悦氏の作品が
展示されている能面展を拝見いたしました。
銀座のギャラリーに漂う幽玄の美に感銘いたしました。

  僭越ながら一句献上  黒式尉笑ふ面とや秋の風   素風

 8月投句より

 案内図に山の蟻這ひ峠口    千舟

 打ち取りて片手拝や油虫   善朗

 からころと下駄を鳴らして浴衣の子   耿甫

 踊笠白き項を垣間見せ   禮泉

 袖通すことなきスーツ土用干し   幹生

 初秋や一色欲しき水墨画   一灯

 陰干しの踊浴衣のたたみ皺   菫

 岩魚獲り子らの歓声木霊して  秦山

 風そよぎ風船蔓触れ合はす    三奏

 腕捩り地を蹴る阿波の踊りかな   朴水

 湿原に蒲の花穂の立ち揃ふ   淳子

 百日紅撫でる狭庭の法事客  陽一
 
  縺れずに白糸の滝流れ落つ    素風

 

 立秋を過ぎ暦は秋…俳句では「新涼」という秋の季語があります。
 ただし、 涼しい…と言えば夏の季語 この違いが詩心につながるのでしょうか・・・ 

     へばまた(*^-^*)/~      

 7月 投句より

 麦の穂の伸び黄熟の禾光る   千舟

 頬に触れむばかりに垂れて凌霄花   善朗

 滴りの妙なる楽や地下の窟   耿甫

 庭の蟇玄関先で身じろがず  禮泉

 遠き日の花アカシアや青春期   幹生

 猫喧嘩犬の遠吠え熱帯夜    一灯

 手荷物の余る手捜す夕薄暑   菫

 夏野菜鍋いっぱいにカレー煮る   秦山

 節電や埃払われ扇風機    三奏
 
  鬼灯の市を曲がれば昭和かな   朴水

 指遊び幼子つくる蝸牛   淳子

 塵置場素顔女の日傘かな   陽一

 フラッペやそっとうごかす銀の匙    素風

 今月から新入会員が1名ふえました。
  16期 俳号は秦山(シンサン)と申します。
  どうぞよろしくお願いいたします。

 夏の台風が太平洋上にそれたおかげで、ここ2~3日涼しい日がつづき、心身ともにほっとしています。
 しかし、夏はまだまだ皆様くれぐれもご自愛の程お願い申し上げます。

   へばまた(*^-^*)/~ 


 6月投句より

   開け放つ車庫を出入りのつばくらめ   千舟
   
    泥水に田園没し大出水    善朗

   咲き揃ふ薔薇のゲートや山のカフエ   耿甫

   池の底砂押し分けて清水湧く    禮泉

   舟歌をやませがはこぶ最上川    幹生

   凜として且つ楚楚としてカラーかな  一灯

   屋根を葺くパズルの瓦五月晴     菫
  
    風渡る沼のほとりに花菖蒲   三奏
  
    向日葵や種の重みを背負ひをり   朴水
    
    そよ風に花穂揺るるや小判草   淳子
 
    芍薬の満開の庭父見舞ふ    陽一

   天辺に皮つけ伸ぶる今年竹    素風

ご参考まで
   つばくらめ=燕 夏の季語 
   清水=夏の季語
   やませ=山を越して吹くかぜ  夏の季語
   今年竹=若竹  夏の季語

  先月号に添付した写真の説明ですが、我が家の猫の額ほどの庭に、毎年1本咲いてくれる金襴キンランです。
  山野草で今はめずらしい草花のようです・・・これが増えるでもなく消えるわけでもなく毎年咲いてくれますので、
  今年は写真にとりました。
   ちなみに、猫の額ほどの庭を俳句では狭庭などと表現します。

    へばまた(*~o~*)/~ 

 5月投句より

 茅葺きの山門くぐり花御堂   千秋

 芽吹き初む枝垂柳や大手門   善朗
 
  花筏胸で分け行く夫婦鴨   耿甫

 清流に影を映して水芭蕉    禮泉
  
  青き踏む子は幼児の手を握り   幹生
   
  一ころも脱ぎてぼうたん崩れけり   一灯

 花回廊夜半の雨に崩れをり    菫
  
  青芝にこども戯れジャズ流る   三奏

 一尺の高さを極む燕かな   朴水
 
  木の下に裏と表の落椿   淳子 
  
  途切れずに蛙飛び込む畦を行き   陽一
    
  吹き荒れし風遠のきて夜鷹鳴く   素風  
   
  花筏=花(花びら)が散って水面に浮かび流れるのを筏に見立てて言います。春の季語ぼうたん=牡丹ぼたんに同じ・・・俳句の世界独特の言い方で夏の季語。
  青き踏む=春の野山の青草を、踏み遊ぶことです。春の季語。

 4月からは一人一句の自選句を掲載させていただきます。
  句会の得点に関係無くあくまで自薦句ですので、作者の個性が楽していただけるかと思います。
  俳句には約束事が多少あるのですがまづは一句!
  移りゆく季節を感じた時、皆様もどうぞ5・7・5で作って見てください。

       へばまた(*~o~*)/~


 4月投句より

  東雄句会の毎月の投句をご覧いただきありがとうございます。
  選者である千秋氏から特選を頂戴し、または合計で4点以上もらった句を選びご披露しておりました関係で、どうしてもレベルの 高い句(?)をならべることになっておりました。
  実は・・・我が愛すべき東雄句会は決してレベルが高く窮屈な句会ではないことをアピールすべく今年度4月からは個性を尊重し、一人一点の点をもらわなくても自作で一押しの句を自信をもって皆様に見て戴くことになりました。
   「これなら、私でも一緒に俳句を楽しめる・・・!」と。これが狙いです。
  東雄句会は随時入会を受け付けております。どうぞ一緒に俳句を楽しんでみませんか。
  それでは今月の投句のご披露を致します。

     苗床のシートふっとび春一番     千秋

     静けさや余震の間の春の月     善朗

     春日和旅を想ひて書肆に立つ    幹生

     春北風に押され自ずと小走りに    禮泉

     春光や多摩の葦辺に水揺るる    耿甫

     災ひに人みなやさし初桜      一灯

     ドクターヘリ春泥はねて飛び立てり    菫

     緑児の大欠伸して春の風     淳子

     ビル街や帰宅難民揺れる春    三奏

     春風に鳥は進路を迂回せり     朴水

     初蝶や黄鮮やかに折り返す    陽一

     風生ればミモザ揺れあふ一頻り    素風

 4月9日 総会を兼ねて年に数回の集合句会を開催し作者を伏せたまま気になる1句についてアレヤコレヤの批評を述べ多いなる俳句談義にハナをさかせました。
  アレヤコレヤ言われても素知らぬ顔でご意見をうけたまわって後日作者を発表するというスリリングな集合句会となりました。
  何しろ、和気相合が東雄句会の愛すべきところ・・・とても楽しい一日でした。
           へばまた(*~o~*)/~


3月投句より

 大学の艇庫開けあり日脚伸ぶ  千秋
  桃の鉢並べ編物市の婆

 白蓮の蕾毛皮を脱ぐごとし   淳子

 垂直に木立湿らし春の雪    菫

 ディスプレー春一色の銀座かな   三奏
  
  枝間から少し尖りて春動く   朴水
  綿雪や軒を傾げて溜まり水

 ひんやりと雛の白きお顔かな  素風

 東日本大震災より連日強い余震がつづいています。
  ゆきとどかない援助にもどかしさを感じつつ、連日ニュースから目をはなせずにいます。ヘルメットと避難グッズの入ったリュックサックは持ち出せるようにその辺に置いて・・・
  この地震が終息してくれることを祈るばかりです。

     へばまた(*~o~*)/~

2月投句より

 沼岸に舟舫ひあり柳の芽   千秋
 道標の傾ぎ突き出雪山路

 寒空を斜めに裁ちてジェット雲   善朗
 咲ききって香りを宙にフリージア

 舫ひ綱列整へてゆりかもめ    耿甫
 店先の一角紅く寒苺

 食細きいのち支へし寒卵   幹生

 赤く燃え冬木に刺さる大夕日    菫

 焼きたてのパン買いに行く冬の朝   素風
 ふはふはとまたさらさらと春の雪
 せめぎ合ふ季節に揺るる水仙花

 3月11日東北関東大地震発生
 被災された皆様や親戚縁者をお持ちの皆様へ
 心よりお見舞い申し上げます。

1月句会より

 新年が明け政治・経済の世情の他に豪雪や噴火など地吹雪のごとく荒々しい1月でした。
 新年おめでとうございます

 滝壺に倒木ささるまま凍る   千秋

 寂寥を負ふて暮れたり冬川原   耿甫

 暮の露肆裸電球一つ下ぐ      禮泉
  生かされて生きて初日を仰ぎ見る

 片手挙げホーム向ふの冬帽子   善朗

 
  クニマスを辰子は見しか湖寒し   幹生

 俎板の乾く暇なく年暮るる     菫

 川涸れて土手に鳥群れ地を喰ふ   朴水

 北吹くや脚を踏ん張り鴉啼く   素風
  山茶花を散らしてゆくや番鳥
  くぐもりて響きやさしき除夜の鐘

 俳句の世界には独特の言葉があります。

 北吹くもそのひとつ・・・冬の季節風を称して 北 とあらわします。
  また、難解語もたまにあります。
  露肆=ロシと読み露店のことを意味します。
  湖=ウミと読ませます。

何はさておき、今年もどうぞよろしくお付き合いください。  へば(*~-~*)また

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