令和6年6月
ご挨拶
東京雄水会 会長 越前谷千秋
同窓会の皆様に於かれましてはいかがお過ごしでしょうか。日頃は同窓会の活動にご理解・ご支援を賜り、心から感謝申し上げます。
2024年1月1日午後4時10分に起こりました石川県能登半島を中心とした【能登半島地震】におきまして、多くの方々が犠牲になられましたことに深い悲しみを感じざるを得ません。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また今も困難な暮しをされている方々がおられますことに心からお見舞い申し上げます。どうか一日も早い復興と、安全な生活が戻りますようにお祈りいたします。
また世界では一部の地域で大きな紛争が続いており、国際社会は平和を取り戻すために努力を続けていますが、紛争規模や範囲は拡大の一途を見せております。また、気候変動の影響が世界各地でますます顕著になっているように見られています。各地で異常な天候現象や自然災害が頻発し、日本国内や近隣地域でも被害が広がっています。各国々での取り組みも進めているようですが、まだまだ課題は山積しているとともに、やはり紛争などの影響で対応は遅れる一方であります。早く解決策が見つかり、平和な社会となることを切に願います。
2024年の今年はオリンピック・パラリンピックの開催年度です。そして来年には大阪・関西万博も控えており、スポーツに科学に芸術と、楽しみな催しも予定されております。私の昔話となりますが、2020年度の東京オリンピックはコロナ禍ということで無観客での開催となり大変残念でありましたが、1964年に行われた東京オリンピックの当時の私は秋商に通っていた学生であり、毎日TVに食いつくように日本代表選手の方々を応援していたのを覚えています(中間テスト期間中であったので親には怒られていましたが)。そして1970年に行われた日本万国博覧会開催時には、私は22歳の華の社会人になっており、休暇を利用しましたが無理をして1人で電車に乗り見に行きましたが、見渡す限りの人の波にのまれて身動きが取れなかったことを今でもよく覚えています。このような大規模で華やかな催しは今でも鮮明に思い起こすことが出来るものであり、年老いた今でも胸躍るような刺激的体験を感じることが出来ます。そして世界が一つになる感覚を味わえるのは素晴らしい事でありますので、東京雄水会の皆様はもちろん、是非現役の学生である秋商学生の方々もご覧いただき、目や心に焼き付けてもらいたいと思います。
先日さいたま市秋田ふるさと会の会員であるTさんから伺ったお話につきましても、私の心を打ったお話でしたのでこの場をお借りしてお話させていただきます。Tさんは秋田市内のご出身であります。女性の方なので年齢は不詳にさせて頂きますが、秋田には88歳になられるお父様とお母様がお住まいで、GWに親孝行のため帰省されたとのことでした。Tさんは4人兄弟で2番目の生まれで、他の兄弟はみな男とのことです。そして他の兄弟もGW中に帰省されすることが出来たため、久しぶりに家族全員が揃われたようです。お父様は「皆忙しいのだからわざわざ集まる必要はない」と皆に言われたそうですが、その顔はとても嬉しそうだったようで、心温まるお話を聞くことが出来ました。その晩は皆で食卓を囲みとても賑やかに歓談されたとの事でしたが、自分がこの年齢になっても両親と家族全員が集まり話を出来る喜びを感じる事が出来ることに感激するとともに、お母様の手料理を食べることが出来ることに感謝をしたとのことです。しかし母親を見ていると「お母さんずいぶん小さくなってしまったなぁ」と時の流れを感じ、何か深く感漑にとらわれてしまったようです。私の両親は残念ながらもう他界してしまい、もう親孝行をしてあげることや、思い出話をすることは出来ません。そして仕事で休みが取れなくあまり会えなかったことや、転職や仕事とのことで心配をかけさせてしまったこともありました。父と母が私を育ててくれたので今の自分があると思っています。このことを忘れてしまったら情の無い人間になってしまうなと、いまさらながら話を聞きながら思い起こしておりました。
”後悔先に立たず”とはよく聞きますが、よく物事の先を考えること、そして何事も経験してみる事で人生の宝【思い出や人とのつながり】を持つことが出来ると感じております。今年も歴史的な円安や物価高など様々な要因で大変な年であり、皆様も今抱えているご苦労もあるかと思います。しかし、秋商での思い出や、今の秋商OBとしてのつながりを大切にし、今年行う催しにも是非ご参加ください。
今年の総会では役員改選がございます。私は2019年の総会にて岸本前会長から後任として推挙され、会長職を務めさせていただきました。2019年は全国高校サッカー選手権大会で我らの母校である秋田商業高校サッカー部が躍進し、私達OBも盛り上がりを見せておりましたが、翌年の2020年からは新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、あらゆる活動が停止してしまうことになりました。私も苦渋の決断で東京雄水会の活動なども中止や延期などの対応を取らざるを得ず、皆様も辛いご経験をされたことと思います。コロナ禍という異例の事態の中、任期満了を迎えることなり、異例となりましたが任期を延長させていただき、6年間会長職を務めさせていただきました。それでも色々なことがありましたが、私は本総会をもちまして会長職を退任することとなります。成し遂げられないことも多くありますが、長らくご支援いただきましたことに心より感謝申し上げます。東京雄水会は新会長のもとでこれからも伝統と皆の結びつきを大切に更なる発展に努めて参ります。皆様には引き続き変わらぬご指導・ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。 |